高塚謙太郎 散文詩誌 サクラコいずビューティフルと愉快な仲間たち2 [00341]

高塚謙太郎 散文詩誌 サクラコいずビューティフルと愉快な仲間たち2 [00341]

販売価格: 476円(税別)

(税込価格: 514円)

詩の中でも特に難解と言われる現代詩の、散文詩だけを集めた雑誌。
現代詩に触れたことのない人もたくさんいると思うので、まずは本誌から一部引用します。
(west)
捨ててしまいなさい螺旋なんか、でも、むらさきのカーネーション、ほの暗く皺、息づき、泡のなか、つつましく、うずくまるように、ミルクの涙まで押しやる残酷な風、血の塊のような、灰の、ハイの、胚の、ふちどられて、呼ぶ傾斜の先へ、消滅だろう、すすり泣きの巣ともいえようか、紋章のように、果ては言葉の、めぐる渦巻状となって(巻き込まれてゆきます、巻き込まれてゆきます)、吐きかけの息、グラウンドゼロ、中心の、燠の、燠のような女の、カナーンの地をめぐり、めぐる、するとその全体がさらに大きな花の渦巻になって、大きな大きな、ほの暗く皺、息づき、薔薇のタイフーンのような渦巻になって(巻き込まれてゆきます、巻き込まれてゆきます)、
―野村喜和夫「渦巻カフェあるいはA・Rの正しい狂気」より抜粋
こういう感じの、大半がほぼ文章の体をなしていないのが現代詩の特徴です。
これをどうやって楽しむのかというと、自己流なので正しいかどうかはわからないのですが、私は以下のような感じで読んでいます。
「捨ててしまいなさい螺旋なんか」このフレーズは、作中に何度も登場します。螺旋とは、タイトルにある「渦巻カフェ」のことでしょうか。「捨ててしまいなさい」と何度も言うということは、捨てたいのに手放せない何か―立場とか人間関係とか?―を意味しているのでしょう。
「むらさきのカーネーション」カーネーションといえば母親、母性。それに「ほの暗く皺」ができ「ミルクの涙」を流しているということは、年老いた母親が「残酷な風」にやられて「消滅」してしまう情景が浮かびます。その涙からできた「すすり泣きの巣」は「紋章のよう」な「めぐる渦巻状」になっている。では「残酷な風」とは何か?
と、ひとつひとつの単語から自分なりのインスピレーションを膨らませて、その単語や文脈が意味するもの、暗示するものを解釈していく。という風に私は読んでいます(繰り返しますがあくまで自己流です)。
読む側はもちろん書く側も相当体力を使いますが、だからこそ読み方も書き方も無限で、どこまでも深く潜っていけるのが現代詩の魅力なのだと思います。
文章表現に興味のある人は、一度現代詩の世界に飛び込んでみると、新しい楽しみを発見できるかもしれません。
A5/86P
[執筆陣]
ゲスト:
野村喜和夫
河野聡子(TOLTA)
山田亮太(TOLTA)
同人:
榎本櫻湖
小林坩堝
高塚謙太郎
望月遊馬
高塚謙太郎 散文詩誌 サクラコいずビューティフルと愉快な仲間たち2 [00341]

販売価格: 476円(税別)

(税込価格: 514円)